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青春怪談

「青春怪談」
(1955/日活/The Hope of Living)


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【 市川崑祭り その4 】

市川崑、日活時代の一作。
獅子文六の原作を和田夏十がどこまで脚色したのか?
市川崑らしいコメディ。
脚本: 和田夏十


慎一は徹底的な合理主義者でビジネス(金融系)一筋。
三橋達也演じる慎一のキャラクターがキョーレツ。
モダーンな青山のアパートに住み、“ママ”の代わりに料理をはじめ家事全般をすべてこなす。西洋式のライフスタイルを貫いているところが、彼の合理主義の表れ。この時代、母親を「ママ」と呼んでること自体進歩的(なのか!?)

幼なじみの千春はバレリーナ、
千春役北原三枝のひっつめ髪。えっ、これヒロインとしてあり?くらいのレベル。
男のようにさばさばとした千春。ドライでクール。市川崑が徹底的に扮装テスト等キャラ作りしたんだろうな。
よく見ると、かつらじゃないかな。
この他、山村聡や轟夕起子も誇張されたキャラクターが見事。

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慎一は母蝶子とふたり暮らし、千春も父鉄也とふたり鵠沼の家に暮らしていた。千春はバレエに専念するため都内で暮したい。が、父が一人になり心配。そこで慎一の母蝶子と父を再婚させようと画策する。

何でもできる慎一の唯一の欠点(千春の父曰く)は、“好男子”すぎること。
“好男子”って久々に聞いた。“美男子”は今でも言うけれど。三橋達也はナイスキャスティング~

そのせいで、ビジネス相手のバーのマダム(山根寿子)や芸者(嵯峨三智子)が彼を誘惑して来る。ビジネスライクにことを進めたい慎一は迷惑な話。それが後に災いを招く。

お互い好意を持っていた慎一と千春はひょんなことから結婚することに。
ところが慎一の元に、「千春は実は男」という手紙が来る。
スルーしようとした慎一だが、心のどこかで思い当たるところも・・・。

これは今の視点からすると興味深い。
外的要因ではない。性自認であったり、性的指向の問題なのだ。
1955年の時点でそれらを描こうとしたのかどうか。
当時の観客はそこまで深く考えずスルーしていたと思われる。


山根寿子は、品のある婦人役のイメージがあるけろ、今回は業の深いバーのマダム。
千春の家の立ち聞き好きなお手伝いさんが北林谷栄。確実に笑いを取る(笑)
北原三枝の妹分に芦川いづみ。
芦川いづみは結婚を機に引退してしまったけれど、どうしてらっしゃるかしらと思っていたら、どうやらまだまだお元気のよう、もう86歳ですって(夫の藤竜也は6歳下)。

北原三枝、トゥシューズで立つ姿が様になっている。ナイッスプロポーション。NDT(日劇ダンシングチーム)出身だったのか。
今作の北原は、後の日活アクションとは全く違う顔。市川崑の演出にはまってとても良かった。この後1960年裕次郎と結婚し引退。もっと女優北原三枝を見たかった。

===
この作品、獅子文六の原作を日活と新東宝が競作。同時に映画化、封切日も同じ。今ならあり得な~い。
新東宝の監督は阿部豊。かつての市川崑の映画の師。
新東宝版のキャスティング、千春役は安西郷子というのがおもしろい!後の三橋達也夫人。
他 宇津井健、上原謙、高峰三枝子、越路吹雪。
獅子文六作品は「自由学校」(1951)も競作された(大映と松竹)。

ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地PageTop恋人

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