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行き止まりの世界に生まれて

「行き止まりの世界に生まれて」
(2018/Minding the Gap)


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評価高いドキュメンタリ。
第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネート。
監督: ビン・リュー
↑ 「バラエティ」誌の「注目すべきドキュメンタリ監督10人」に選出。
劇場公開日 2020年9月4日
@新宿シネマカリテ

アメリカの「今」が見えて来るドキュメンタリ。
白人のザック、アフリカ系のキアー、アジア系のビン。
スケートボード仲間の3人の12年間。
ビンがカメラを回し監督してる。

彼らはみな家庭にも学校にも居場所がなく、仲間が家族だった。
やがて彼らも大人になって行く。

ザックにこどもが生まれた。屋根職人として働く。
父親になり幸せそうだったのもつかの間、ニナは息子を連れて家を出る。
要因にザックの暴力があった。
ザックの母親も、ザックが2歳の時に家を出て行った。
ニナは叔母の家に身を寄せる。そこで初めて家庭のぬくもりを知ったと言う。

どんどんぐだぐだになって行くザックに反比例して、
ニナはだんだん母親の顔に。女は、母親は強い。ジュニアがカワイイ☆
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このドキュメンタリのテーマのひとつは、暴力や負の連鎖。
背景に彼らの住む街、イリノイ州ロックフォードがある。
かつて栄えていたが衰退してしまったアメリカの「ラストベルト」:錆びついた工業地帯。
街自体が荒んでいる。

ティーンエイジャーの間は、スケートボードはストレスコーピングとなり、彼らを良い方向に導いた。
でも大人になったら、それがすべての救いにはならないのだな。
ザックもキアーも高校を卒業していないらしく、「高校卒業資格試験」を勉強していた。
教育や家庭環境はやっぱり大切。でも、こと家庭環境に関してはこどもは無力だ。


地元のスケートボードショップを久しぶりに訪れるれるビン。
ショップのオーナーは
――君のこと、覚えてるよ。昔、『君はゲイなのかい?』と訊いたよね。
かつて君は何か重いものを抱えていたから


え、そういう話?? と思ったら違いましたww

ビンの義弟の口から、ビンは義父(白人)からひどい暴力を受けていたことがわかる。
母親にカメラを向けるビン。義父のことで母親と向き合うことに。

ママは息子への暴力を知らなかったと言うけれど、ウソだよね。
ビンもウソとわかっている。
母親の見て見ぬふりはDVのこどもを二重に傷つける。
→ 見えているのに見えていない=母親の自己防衛だったのかもしれない。ママも暴力を受けていたから。

仲間にはいろんな人種がいて、ここでは差別なく融合しているのかと思っていると・・・。

――白人の中で仲良くやっていても、自分はブラックなんだといつも思っていろ

キアーのパパの言葉が印象に残る。
事実そういうシーンがある。
白人の子たちの悪気のない他愛ないジョーク。こわばった笑顔のキアー。
終始ノー天気なキアーが意外としっかりしていたのが救いだった。

キアーはかわいいヤツ!
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アル中気味で顔がどんどん荒んでいくザック
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最後には立ち直ったようでほっとしました。
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===
ビン・リューの町山智浩によるインタビューを見た。

――ただのスケーターの映画じゃない。自分の家族や過去に向き合う成長のストーリー。
一見スケートボードは身体能力が重要だと思われているけど、実際はメンタルが重要。99%は頭の中身が関係する。できると信じれば習得できる可能性が高い。
出来ると信じなければ技は習得できない。100%信じることが必要。


なんだか人生訓のようで深イイ。
ちなみに、ビン・リューは街を出てシカゴの大学を卒業後、映画撮影の仕事に就いた。今作がデビウ作。

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューPageTopハニーボーイ

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